佐藤栄佐久前福島県知事の裁判と二つの事件

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注目の記事2011/7/10
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佐藤栄佐久前福島県知事の裁判と二つの事件、日本のエネルギー政策を左右する影
http://www.asyura2.com/09/eg02/msg/155.html
投稿者 taked4700 日時 2009 年 10 月 20 日 06:40:31: 9XFNe/BiX575U


 佐藤栄佐久前福島県知事の裁判が話題になっている。警察による冤罪事件ではないかというものだ。福島県は二つの原子力発電所に合計10基の原発がある。更に、2基が建設中および計画中だ。そして、佐藤前福島県知事は、プルサーマルなどの原子力政策に反対していた。他にも、佐藤前福島県知事はかなり目立っていたらしいから、いろいろと狙われる理由はあったのかも知れない。しかし、一応、原子力政策に対する反対が理由だと仮定して、他の事件を見てみると、あるひとつのリングが見えてくる。

 まず、佐藤栄佐久前福島県知事が異を唱えていたプルサーマルについて述べる。プルサーマルとは、熱中性子(thermal neutron)によりプルトニウムを核分裂反応させて発電を行う原子炉のことを指す。なおプルサーマルとはプルトニウムのプルとサーマルリアクター(軽水炉)のサーマルを繋げた和製英語(plutonium thermal use)である。(この部分は、ウィキペディアのプルサーマルの項から。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%AB)つまり、簡単に言ってしまえば、原子力発電で大きなネックになっている二つの問題、つまり、原子力資源であるウランが輸入に頼っていることと使用済み核廃棄物であるプルトニウムの処分方法の両方を一挙にほぼ解決するものなのだ。つまり、輸入に頼るウランを一度燃やしてできたプルトニウムを再度燃料に使えるので、日本においては二重の意味で有利な発電方法なのだ。しかし、普通の原子炉に、プルサーマル燃料と通常の燃料の二種類が混ざって装填されるため、制御が難しく、特に地震などの際に安全性が確保されるかどうかが問題になる。

 そして、日本においてプルサーマル計画が大きく動き出したのが1997年だ。この年の2月4日、核燃料サイクルについて了承するという閣議決定がされ、同2月21日には電力11社によるプルサーマル全体計画が発表されるのだ。以降、プルサーマル計画の説明が新潟、福島、福井県に対してされていく。(この部分は、http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/17/17010608/01.gifを参照のこと)

 同じ1997年の3月8日、東電OL殺人事件が起こっている。こちらは、東京電力の上級女子社員が売春客に殺されたという事件だ。東電という一流企業のそれも上級社員が何年間にも渡って売春をしてい、時には売春客を拾う路上で放尿までしていたとして、マスコミで大騒ぎになった事件だ。しかし、この事件には、大きな矛盾がいくつもある。もっとも大きな矛盾は、なぜ被害女性が売春をしていたのかというものだ。39歳で年収が1000万円以上あり、金銭的に困っていたとは思えない。また、自分が書いた経済リポートが賞を受けるなど、仕事上でも十分にその才能が認められていたはずなのだ。また、もし売春が事実だとしても、事件は殺人事件でありその被害者なのだから、たとえ刑事裁判の公判ではそのことを言わざるを得なくても、報道についてはそのことを伏せるという配慮がされてもよかったし、東京電力が大企業であることから、自社のスキャンダルを報道させないという圧力をマスコミにかけることもできたはずだ。更に、被害者は自分が東京電力の上級社員で経済レポートなどを書いている再三再四売春客に語っていたとされる。それならば、なぜ、そういったうわさが東電本社に伝わらなかったのか、または、週刊誌にネタとして売られなかったのか?更に、事件が起こってからマスコミが大騒ぎすることに対し、被害者の母親が、「娘がそういうことをしていたことを自分は知らなかった。殺人事件の被害者なのだから静かにしてほしい」という趣旨の手紙をマスコミに送っているのだ。しかし、刑事裁判の場で警察は、被害者が自宅に帰らなかったため、母親が捜索願を出しに来て、「娘は売春をしているのでその関係で事件に巻き込まれたのかもしれない」と言ったと証言しているのだ。しかし、自らも東京の一流私大を出て、東大出の東京電力の管理職にまでなった夫を持っていた母親が、娘に東京電力社員ありながら売春をさせるだろうか、少なくとも何年間もそういった状態を続けることを許すだろうか?更に、刑事裁判の場で証言した売春客はすべて本名や顔を隠しての証言だった。つまり、本当にそれらの証言が正しいものかどうかの検証は一般人にはできないのだ。また、彼女が売春によって稼いだはずのかなりの金額の金についてもうわさを除いてきちんとした検証はまったくされていないのだ。
 更に、東電OL殺人事件の犯人であるとされるネパール人は、犯行を否認してい、実際、第一審では無罪判決を受けているのだ。殺人事件自体の経過でさえ、さまざまな矛盾点があり、事件後12年を経た現在でも冤罪事件であると言う主張がされている。
 つまり、東電OL殺人事件も、売春と言う実態があったとは到底思えず、一種の作られた事件であるはずだ。(以上の記述は佐野真一著「東電OL殺人事件」、「東電OL症候群」と言う新潮文庫の本から。以降も、東電OL殺人事件について記述は、この2冊の本から。)

 では、なぜ、東電OL殺人事件が起こったのか?被害女性の父親は、やはり東京電力に勤めていて、1977年にがんで亡くなっている。その2年前、工務部全体を統括する副部長と言う管理職になりなぜか一年で降格され、その一年後のガンでの死だ。
 そして、この時期は、原子力の危険性が世界中で言われていた時期なのだ。1974年、アメリカでもタンプリン(A.R.Tamplin)及びコクラン(T.B.Cochran)がプルトニウムの細かい粒子が肺に及ぼす影響を警告している。(http://www.jaea.go.jp/04/nsed/ers/radiation/refa/dresa/term/bp002290.htmを参照)また、同年、カレン・シルクウッド事件という、プルトニウム燃料工場での放射線被爆に関する内部告発者が事故死すると言う事件が起こる。(http://www32.ocn.ne.jp/~everydayimpress/Video/Silkwood.htmを参照)更に日本においては、原子力船むつで放射能漏れ事故が起こったり、浜岡原発や福島の原発で配管に亀裂が生じていた疑いが出るなどのことがあった。(http://www.rist.or.jp/atomica/database.php?Frame=./data/bun_index.htmlを参照)
 つまり、被害女性の父親は、原子力発電の危険性を指摘して管理職から降格された可能性が強いのだ。彼は、高圧の地中送電線を東京都内に引く責任者を務めていたというから、地震の地盤への影響についても詳しかったはずだ。そして、父親がガンでなくなった1977年、彼女は大学二年生だった。だから、この時期、彼女が原発に関する父親の見解を聞いている可能性は強い。父親の死後3年の1980年、彼女も東電に入社する。
 ちなみに、スリーマイル島原発事故が1979年、チェルノブイリ原発事故が1986年である。青森県六ヶ所村での核燃料廃棄物再処理工場の建設が始まるのが1993年、そして、1995年、阪神大震災が起こる。
 多分、阪神大震災を見て、彼女は日本における原発の危険性を東電内部で発言し始めたのではないだろうか。阪神大震災の一年ほど前、「東京イニシアチブ」と言う論文が発表され、そこには、「高温岩体の地熱発電への研究開発資金を大幅に増やせば、日本国内に大きなエネルギー資源が見つかるかもしれません。北海道と本州の4300平方キロメートルの地域が高温岩体の井戸に適した条件を持っているそうです(1992年電中研ニュース)。2000メートルから4000メートルの深さまで掘ることによって、約40万メガワットの発電が可能。この発電力は日本全体の発電能力の2.5倍。この電力の予測価格は、キロワット時あたり13円でした」(http://eco.nikkei.co.jp/column/maekita_miyako/article.aspx?id=MMECcc005002082007を参照)と書かれていたと言うから、彼女も日本における地熱発電の可能性について理解していたはずであり、原発の代わりに地熱発電をと言う主張はそれなりに説得力がある。

 しかし、これらのことは、東電OL殺人事件発生当時、まったくマスコミに取り上げられることはなかった。マスコミの関心は、その後、神戸連続児童殺傷事件によってまさに乗っ取られていくからだ。
 神戸連続児童殺傷事件は1997年5月24日、14歳の中学男子生徒が11歳の知的障害のある男子児童を殺害し、翌25日その児童の首を切り落とし、26日未明に男子生徒の通学していた中学の正門前にその頭部を犯行声明文とともに置いたという事件である。そして、これら一連の事件は、東電OL殺人事件の容疑者とされるネパール人が逮捕された5月20日の直後と言うタイミングなのだ。つまり、東電OL殺人事件の犯人逮捕がされ一応事件のけりがついたとされた直後に神戸連続児童殺傷事件が起こるのだ。
 しかし、神戸連続児童殺傷事件にしても、とても14歳の男子中学生の犯行とは思えない事件だ。11歳の児童を連れて自宅そばの丘に登りそこで殺害して首を切り、その首を中学の門に置くと言う一連の犯行は、一切目撃されていないし、指紋などの直接的な証拠も一切ない。唯一あるのは少年の自白なのだが、その自白さえも多少でもきちんと見れば矛盾点だらけという代物だ。これらのことについては、神戸小学生惨殺事件の真相(http://w3sa.netlaputa.com/~gitani/pamphlet/kyumei.htm)にかなり詳しく述べられているし、「神戸事件を読む 酒鬼薔薇聖斗は本当に少年Aなのか?」という熊谷英彦と言う方が書いた本にもかなり説得力を持つ論理が展開されている。

 そして、これらの事件が起こった1997年は、新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法が作られた年でもある。4月に成立しているが、そこでは、それまで国庫補助の対象であった地熱発電がはずされたのだ。その後、この法律は、2002年に改正されているがその際も地熱発電は補助対象にならずバイオマス発電などが補助対象として新たに指定されたのみである。更に、2008年にも改正が行われているが、その際には、地熱発電の内小規模発電に適しているバイナリー発電のみが補助対象として指定されている。そのため、1990年代後半から地熱発電の新規開発は止まってしまうのだ。ある程度の規模のある最も新しい地熱発電所は1993年から企画され1997年に自然公園法の認可を得た500kwの九重地熱発電所で大分県の九重町にある九重観光ホテルでやっているものだ。

 以上のような経緯を見たとき、佐藤栄佐久前福島県知事の裁判がいかにも非論理的であり、反原発を主張する人々を黙らせるためのものであるということが、ある程度納得いくのではないだろうか?

 

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 つまり、東電OL殺人事件は、日本の電力会社関係者を始め、政策立案に当たる役人や政治家に対する圧力として起こされたのだ。だからこそ、徹底的に被害者の人格を貶める必要があったのだ。
 ただ、基本的にはすべてでっち上げであったから、いつまでもこの騒ぎを続けることができなかった。殺人犯としてネパール人を仕立て上げたのも、日本国内に仲間がいない人でないと、事件そのものがおかしいと言う反論をされてしまうため。多分、被害女性の関係者から何らかの反論がされそうになったので、急いで、かねてから用意されていた神戸連続児童殺傷事件が起こされたのだ。そうすることで、マスコミや世間の関心を新たな事件に向け、東電OL殺人事件そのものの風化を狙ったはずだ。
2009/10/21 10:02

02. 2011年1月12日 07:39:49: bmpI9gJ3xk
新潮文庫「東電OLシンドローム」には、犯人とされたネパール人の方が、被害者との買春を認めたと書かれています。これは、典型的なマインドコントロールでしょう。
田中森一の「反転」幻冬舎アウトロー文庫の207ページに次のように書かれている。
「他の事件でも手法は同じ。狭い拘置所の取調室で、被疑者に同じことを毎日教え込むと、相手は教え込まれた事柄と自分自身の本来の記憶が錯綜しはじめる。最後には、こちらが教えてやったことを、さも自分自身の体験や知識のように自慢げに話しだすのである。そういう被疑者を何人も見てきた。」



03. 2011年3月28日 16:09:36: E4le7lINB6
「木村永佐久+裁判」というキーワードで、検索していてこの頁に到達した。現在最高裁で審理中か?
以下、コメント
 → 記述内容の重大性にもかかわらず、憶測、あるいは推測で語られている部分が多いのではないか?特に、決定的に重要な部分、「かねてから用意されていた神戸連続児童殺傷事件が起こされた」という、くだりについては、もう少し慎重な表現にした方が良いのではないか?
 私としては、その部分への評価は保留するが、その前段までの部分については、基本的に賛成する。
 いずれにせよ、日本のマスコミに対する監視を、強めていく必要があることを、この投稿は示唆している。マスコミが我々をあざむき、権力者にとって有利な方向に誘導するために利用されることは、前々から言われていることであるが、特に日本では、権力との癒着が深刻であることを、肝に銘じて我々市民は、マスコミに接する必要があるのだろう。そのための一つの武器が、ネットであると思う。

04. 2011年5月14日 14:57:57: iRwhiXX04E
これが事実なら日本はとんでもない暗黒国家である。孫正義氏が心配である。
脱税その他、勝手に罪状を作り犯罪人niされる可能性がある。しかし今日多くに人が原発の恐ろしさに目覚め(私もその中の一人である)
ているので以前のようにはできないだろう。 いずれにせよ佐藤氏の問題東電のオーエル殺人事件の問題を世間に広く明らかにする必要がある。

05. 2011年5月17日 09:47:42: GNC2WUvZb2
邪魔者であれば、注目を浴びるようなセンセーショナルな事件にせず、交通事故や自殺を装うんじゃないかな。

06. 2011年5月20日 19:49:52: iUHxUxxaDY
>>05
>邪魔者であれば、注目を浴びるようなセンセーショナルな事件にせず、交通事故や自殺を装うんじゃないかな。

記事の投稿者のtaked4700です。

被害者の父親はがんで亡くなったわけです。まさしく「注目を浴びるようなセンセーショナルな事件にせず、交通事故や自殺を装う」形で亡くなられたのです。

そして、次に、1995年、阪神大震災を引き起こした兵庫県南部地震が起こりました。これにより、日本列島は地震の活動期に入ったと言われました。また、石橋克彦教授により地震が原発震災を引き起こすと警告がされたのが1997年です。多分、そのことも被害者には伝わっていたのでしょう。ともかく、電力業界の中でも、学者や政治家の中でもそして官僚にも、原発が危ないと言う危機感を多く持った人たちがかなり出てきたはずなのです。多分、このことはかなり常識的なことです。なぜなら、原発が大きな地震に直撃された例は世界で一例もなく、日本は世界の地震の1割とか2割が起こる地震国ですから、原発直下の地震が日本で起こるかもと心配し、日本の原発が原発の耐震性の実験台になりつつあると思うはずだからです。

なお、チェルノブイリ事故が直下の地震により起こされたという「デンマークのミルトン・メディア及びデンマーク放送協会が制作したドキュメンタリー」はやはり1997年のものだそうです。(『巨大地震が原発を襲う』船瀬俊介著、地湧社62頁)

よって、こういった動きを封じるためには、明白な脅しが必要であり、徹底して被害者を貶める必要があったのでは?

そういった仮定をしないと、あまりにも東電OL殺人事件は不可解ですし、サカキバラセイト事件も同様です。そして、日本における原発政策も同様に不可解なのです。



07. 2011年5月20日 20:32:30: iUHxUxxaDY
06です。一部コメントに間違いがありました。
http://www.ailab7.com/log/eqlog1151-1170.htmlの下の方に石橋教授の投書の文章が載っていました。これを読むと1999年の投書であるように思えます。JCO事故が1999年のものですから、1997年ではないですね。
ただ、石橋教授が1997年から原発震災を警告してきたのは事実であるようです。
http://historical.seismology.jp/ishibashi/opinion/2011touhoku.html
には「私は、大地震によってこのような事態が生ずることを憂慮し、1997年から警鐘を鳴らしてきましたが、こんなに早く懸念が現実化してしまうとは思いませんでした。」と、教授自身の言葉として書かれています。

以下は、 http://www.ailab7.com/log/eqlog1151-1170.html より引用:

今こそ「原発震災」直視を
石橋克彦

 九月末に茨城県東海村の民間核燃料加工施設で起きた臨界事故の真の散訓は、原子力の本質的な恐さを見据えて、あらゆる面での安全性を総点検し、それを踏まえて原子力政策を根底から考え直すことだろう。しかし現実は、ずさんな施設の安全性確保や小規模事故の防災体制といった議論にとどまっている。小論では、見過こされている「原発震災」の現実的可能性を直視すべきことを訴えたい。それは、原子力発電所(原発)が地震で大事故を起こし、通常の震災と放射能災害とが複合・増幅しあう破局的災害である。
 政府・電力会社は、原発は「耐震設計審査指針」で耐震性が保証されているから大地震でも絶対に大丈夫だという。しかし、その根底にある地震(地下の岩石破壊現象)と地震動(地震による揺れ)の想定が地震学的に間違っており、従ってそれに基づいた耐震性は不十分である。
 そもそも、日本列島の地震の起こり方の理解が進んだ今となっては、列島を縁取る一六の商業用原発(原子炉五一基)のほとんどが、大地震に直撃されやすい場所に立地している。日本海東縁~山陰の地震帯の柏崎刈羽・若狭湾岸・島根、 「スラブ内地震」という型の大地震が足下で起こる女川・福島・東海・伊万、東海巨大地震の予想震源域の真っただ中の浜岡などである。原子炉設置許可の際、過去の大地震や既知の活断層しか考慮していないが、日本海側などでは大地震の繰り返し年数が非常に長いから、過去の地震が知られていない場所のほうが危険である。
 また、活断層が無くてもマグニチュード(M)7級の直下地震が起こりうることは現代地震科学の常議であるのに、原発は活断層の無いところに建設するという理由でM6・5までしか考慮していない。しかも実ほ、多くの原発の近くに活断層がある。最近、島根原発の直近に長さ8キロの活断層が確認されたが、中国電力と通産省は、それに対応する地震はM6・3にすぎないとして安全宣言を出した。しかし、長さ八キロの活断層の地下でM7・2の1943年鳥取地震が起こって大災害を生じたような実例も多く、この安全宣言は完全に間違っている。
 要するに、日本中のどの原発も想定外の大地震に襲われる可能性がある。その場合には、多くの機器・配管系が同時に損傷する恐れが強く、多重の安全装置がすべて故障する状況も考えられる。しかしそのような事態は想定されていないから、最悪のケースでは、核暴走や炉心熔融という「過酷事故」、さらには水蒸気爆発や水素爆発が起こって、炉心の莫大な放射性物質が原発の外に放出されるだろう。一般論として原発で過酷事故が起こりうることは電力会社も原子力安全委員会も認めている。一方、米国原子力貴制委員会の報告では、地震による過酷事故の発生確率が、原発内の故障等に起因する場合よりずっと大きいという。
 例えばM8級の東海地震が起これば、阪神大量災を一ケタ上回る広域大震災が生じ、新幹線の脱線転覆などもありうる。そこに浜岡原発の大事故が重なれば、震災地の救援・復旧が強い放射能のために不可能になるとともに、原発の事故処理や近隣住民の放射能からの避難も地震被害のために困難をきわめ、彼災地は放棄されて真大な命が見殺しにされるだろう。また、周辺の膨大な人々が避難しなければならない。浜岡の過酷事故では、条件によっては、十数キロ圏内の九〇%以上の人が急性死し、茨城県や兵庫県までの風下側が長期居住不能になるという予測もある。
 このように原発震災は、おびただしい数の急性および晩発性の死者と障害者と遺伝的影響を生じ、国土の何割かを喪失させ、社会を崩壊させて、地震の揺れを感じなかった遠方の地や未来世代までを容赦なく覆い尽くす。そして、放射能汚染が地球全体に及ぷ。この事態に対して、臨時国会に提案されるという原子力防災法案は、本紙(注-朝日新聞)の報道で概略を知る限り何の役にも立たない。地震活動期に入りつつある日本列島で51基もの大型原子炉を日々動かしている私たちは、ロシアンルーレットをしているに等しい。この地震列島・原発列島に暮らすすべての人々が、この現実を正しく知って、どうすべきか考える責任がある。
(神戸大学教授・地震学=投稿)


08. 2011年5月24日 13:12:47: SXCCBpJJvc
なぜ水を燃やさないのかな?

09. 2011年5月27日 00:41:18: Pf32xSxKHx
東電の体質、布川事件をはじめ無罪判決が出て検察のあり方が問われている昨今。この機会に全てが暴かれるようなムーブメントは起きないのかな、被害者家族の心情を思うといたたまれなくなる。これも福島原発事故と同じで政官財マスコミ司法など全部が関係している超暗黒事件ですね。真相解明に一市民として協力したい。

10. 2011年7月09日 13:56:25: qRJutGm2ak
記事にさせて頂きました。ありがとうございました。
http://george743.blog39.fc2.com/blog-entry-566.html


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